理事長あいさつ
理事長就任にあたって
この度、一般財団法人アジア農業協同組合振興機関(IDACA)の理事長に就任しました。
私は現在、一般社団法人全国農業協同組合中央会(JA全中)の第17代会長を務めておりますが、同時に本機関の理事長として、アジア太平洋地域およびアフリカ地域における農協振興に寄与できること、さらにアジア地域全体の農業発展に貢献できることを、心より光栄に存じます。IDACAは創立してから本年で63年となりますが、私の地元長野にも多くの研修員をお迎えしており、深いご縁と喜びを感じているところです。
私の地元長野県は、山々と清流に恵まれた農業地帯です。実家では古くからリンゴやブドウを栽培しており、私自身も果樹栽培に従事しながら、JA職員、組合長、そして県中央会会長として40年以上にわたり農協の仕事に従事してまいりました。
近年、日本の農業者を取り巻く環境は、かつてないほど厳しく、変化も激しくなっております。不安定な国際情勢によって肥料や燃料の価格が上昇し、農業経営を圧迫しています。農業者が最新の技術を導入し、品質改良に取り組み、一生懸命に農作物を管理しても、猛暑や豪雨、台風といった異常気象が容赦なく襲いかかり、時には一瞬にしてすべてを奪い去ります。また近年では、イノシシや鹿による鳥獣害にも頭を悩ませています。アジア太平洋やアフリカの国々でも、農業者の皆様は、様々な課題と日々向き合われていることでしょう。
しかしながら、どのような環境下でも「人々が食べることに困らない社会」の構築に向けて、我々は役割を果たしていかなければなりません。その根幹を支えるのが農業者であり、農業協同組合です。農業者が安心して農業を続けられる環境を整え、国民の食卓を支える農業基盤を維持することこそが、我々の使命です。
アジア太平洋やアフリカの農業が今後も発展し続け、農業者が誇りをもって農業に従事できるよう、JAグループが培った経験を一つのモデルとして、皆様の組織づくりに役立てていただければ幸いです。
IDACAが、人と人、国と国をつなぎ、ともに学び、ともによりよい農業と農協の未来を築く場であり続けるよう、役職員一同全力を尽くしてまいります。海を越えて、皆様とともに歩んでいける喜びを胸に、ご挨拶とさせていただきます。
令和8年3月10日
JA全中会長
神農 佳人